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頭の中の整理のためのブログ

日常で感じるはてなを、自分なりに論理立てる訓練の為の記録

仕事とは何かについて

最近、似たような相談をいくつか受けたので、一つの会話風にまとめて記録。

 

 

きっかけはある飲み会でのほんの些細な会話でした。

 

若手「おじさーん、仕事って何のためにするんですか?」

おじ「自由のためだよ。」

若手「は?そんなわけないでしょ。仕事って束縛ですよね?」

おじ「そんなことないよ。仕事は自分の自由のためにするんだよ。」

 

その日はこの件についての会話はここまででしたが、若手としてはこの軽い会話が引っかかったらしく、別日に餃子屋で相談を受けることになりました。

 

若手「今日はありがとうございます。でもおじさん、だまされませんよ。仕事を自由のためにするなんて。朝から夜遅くまで、デスクにかじりついて、上司の言いなりになって、資料を作って、なんだかんだやって。それって束縛じゃないですか。自由は、誰かと遊んだり、映画を見たり、何もしなかったり、もっと、楽しいことを言うんじゃないですか?」

おじ「うーん、言葉の定義から合わせた方が良いね。話が長くなるけど、時間は大丈夫?」

若手「終電までならいいですよ。」

おじ「いや、君から相談してきたんだけど、、。」

 

おじ「自由の前に、まず、選択、繋がり、目的の3点を考えたいと思います。」

若手「どうぞ。」

おじ「ありがとう(笑)。選択って何だと思いますか?」

若江「選ぶことです。」

おじ「その通りです。じゃあ、今、君が言った束縛となっている仕事を選択したのは誰ですか?」

若手「上司です。上司が私にやらせるよう決めました。」

おじ「なるほど。では、その上司のチームに入ることを誰が選択しましたか?」

若手「?なんですか、それ。人事ですけど、、。それを続けて言って、『その会社に入ることを選択したのはあなただから、あなたが今の原因を作っている』って言いたいんですか?」

おじ「お、カンがいいねぇ。で、そのロジックに対する反論は?」

若手「どの会社に入っても、今の僕みたいな状況はありますよ。不動産でも金融でもエンターテイメントのジャンルでも、厳しい事務仕事はあるでしょ。なので、どの会社に入るかを決めたことが、仕事を選択したことにはなりません。」

おじ「いいね。その通り。でも、なんで、会社に入ることにしたの?」

若手「意味が解りませんが?会社に入ることを選択したことにも原因があると?」

おじ「そりゃあるでしょ。君の時代には僕の時代よりももっと学生起業家がいたでしょ?僕の時代にもいたけどね。」

若手「いやいや、学生時代に起業とかありえないでしょ。大体その時起業したやつで、今でも社長やってるやつって、僕、知りませんよ。あんなの、流行病(はやりやまい)ですよ。」

おじ「スティーブジョブスもホリエモンも大学中退で起業してるけど?」

若手「あんなのは特異例です。何かできた人がいるからって、全員にそうなれる可能性を強いるのはマッチョのバイアスです。僕はもっと普通のちゃんとした人なりの幸せが欲しい。」

 

おじ「なるほど、普通のちゃんとした人なりの幸せ、を選択したわけね。」

若手「そう来ましたか。」

おじ「まあね。で、その普通のちゃんとした人なりの幸せ、ってのが曲者だと思うんだけど、それを実現してる人って誰?」

若手「悔しいけど、おじさんはそうです。楽しそうに仕事してて、家族が居て、子どももたくさんいて、トライアスロンとかして、いつ寝てんの?って思ってます。」

おじ「あら、ありがとう。で、他は?」

若手「僕の知ってる人で、有名人だと所ジョージさんとか。芸能人になりたいわけではないので、もっとビジネスよりに行くと、建築家の先生とかデザイナーさんとか、良いですよね。面白法人カヤックの社長さんとか楽しそうだし。。」

おじ「へぇ、面白いね。じゃあ、そうなれるよう努力すればいいじゃん。」

若手「それがマッチョバイアスなんですよ。自分で望んで努力して成果を得た人たちが、そうできない人たちに対して『なんでやらないの?やればいいじゃん。』というのは半ば、暴力ですよ。ダチョウに飛べ、というようなものです。」

おじ「ほう。。じゃぁ、どうしたい?」

若手「だから!それがわからないから、相談に来てるんじゃないですか!」

おじ「あ、そっか。ごめんなさい。」

 

おじ「で、僕が言いたいのは、まず、選択ね。どういうことであれ、君の環境を作っているのは、君の選択の積み重ねであることは間違いない。」

若手「そんなことはわかってます。」

おじ「なので、普通のちゃんとした人なり幸せを選んで、会社に入ったのは君の選択。」

若手「知ってますって。」

おじ「で、普通のちゃんとした人なりの幸せを実現している人のような努力はできない、と。」

若手「いや、そういうことではないですが。。」

おじ「あれ?どうした?」

若手「努力ができないわけではないです。」

おじ「じゃあ、やればいいじゃない。」

若手「だから!みんな、あんたみたいに強くないんですよ。禁煙しても続かないでしょ?ダイエットしてても食べちゃうでしょ?人ってそういうもんじゃないですか?」

おじ「おお、そうきた?でも、君は太ってないからわかると思うけど、デブの上司が『おれ、ダイエットしたいんだよね~。健康診断引っかかってさ、どうしたらいいと思う?』と君に相談しながら、豆大福食べてコーラ飲んでたらどう思う?」

若手「正気を疑います。」

おじ「だよね。今、それに似てる。それってマッチョのバイアス?」

若手「うー、、そうですよね。。」

おじ「ただ、人間が努力を継続しにくい弱い存在だ、ということについては同意するよ。やっぱり楽しいことに流されるし、それも人生の彩りの一つだと思うからね。」

若手「お、そうですよね。そこがわかって貰えるとは思いませんでした。」

おじ「だからって、努力しないことが良いことだとは言わないよ。やるかやらないかはあくまで君の選択。限界をつくってるのなら、それは君の頭の中にある。いい?」

若手「残念ながらそうですね。はい。」

 

 

おじ「次は、なんだっけ。。えーと、、」

若手「『繋がり』です。」

おじ「あ、そうそう、繋がりね。」

若手「しっかりしてください。」

おじ「ごめんなさい。さて、繋がりって、聞いてどう思う?」

若手「今までやってきたことと、今の状況が繋がっている、っていうことなのかと感じます。」

おじ「うんうん、それもあるね。僕が伝えたいことは『全てが繋がっている』ということ」

若手「よくわかりません。」

 

おじ「仕事を束縛として考えている段階で、仕事は負担なんだよね。」

若手「そうです。」

おじ「でも仕事で嬉しいこともあるじゃん?」

若手「はい。」

おじ「例えば、どういうときに楽しい?楽しかった?」

若手「例えば、一つのプロジェクトが終わって、それなりにお客さんに満足してもらって、上司にも褒められて、ああ、やって良かったなぁ、と思った時とか。」

おじ「お、いいね、その他は?」

若手「あとは、重要な決定事項のための会議資料を作ってて、その会議が無事終わったときとか、達成感を感じます。」

おじ「おお、いい仕事してるじゃない。若者!やるな!」

若手「茶化さないでください。」

おじ「ああ、ごめん。で、その楽しかった経験は今まででどれくらいあった?」

若手「そういわれると、あんまり覚えてませんね。。小さいのを入れるとたくさんあるような、比較的大きいのも一年に一回はあるような気がします。」

おじ「へぇ、それだけ聞いていると、とても恵まれた環境だと思うけどね。」

若手「うーん、そうかもしれませんが。月曜日はやっぱり憂鬱です。仕事かぁ~!って」

おじ「ん?普通のちゃんとした人って、『仕事かぁ~!』ってならないの?」

若手「いやいや、それは言葉のあやですよ。なる人もいるし、ならない人もいるでしょう。」

おじ「じゃあ、何が今の君と違うのよ?」

若手「・・それは具体的にはわかりませんが、、。そんなことより、繋がりはどこに行ったんですか?」

 

おじ「あ、そっちやる?やろうか。そうだね。繋がりは、結論から言うと『仕事の充実が仕事以外の充実を生み、それが仕事の充実を生む』という繋がりのこと。さらに言うなら、すべてが繋がっている、ということは、睡眠、食事、家族との関係、身の回りに起こるすべてが、君の仕事に繋がっている、ということも意味する。」

若手「なんとなく、イヤな予感がします。」

おじ「カンのいい、君ならわかると思うけど、仕事の充実は仕事以外の充実に繋がるよね?」

若手「同意できるところもありますが、できないところもあります。例えば、大きな会議の前には休日返上で仕事をします。それで彼女と仲が悪くなったこともあります。」

おじ「おお、昭和だね!いいね!『私と仕事のどっちが大事?』的なやつね。青春してるね。うらやましい。でも、それって、彼女の主張に矛盾している部分があるってこともわかってるってことね?」

若手「なんとなくですが、、」

おじ「じゃあ、その彼女に対してどういう葛藤を感じた?」

若手「『僕の仕事は君のためにも重要だ、今は僕にしかできないことがあるので、ちょっと待ってほしい』ということです。仕事によって得る収入で、彼女と一緒に遊んだりしてるし、その仕事をしていることを前提に僕と付き合ってると思うので、彼女と仕事のどっちかを取るという選択をすることは無理です。つまり、彼女を選択するために仕事を辞めたら結局は彼女とは一緒にいられないので、彼女を優先するという選択肢は理論的には発生し得ない、のにもかかわらず、彼女は『自分を取れ』と言ってる。そんな感じでしょうか?」

おじ「やるね~。そうだよね。つまり別々にして考えて解決するのは無理だ、ってことだよね。僕は基本的には全てそうだと思ってるよ。君を包むすべての要素が複雑に絡み合って、君の『今・ここ』を作っているので、何かを疎かにして、何かを充実させるっていうのは構造的に矛盾を生むんじゃない?」

若手「でも、仕事でやり過ぎて彼氏や彼女に振られたって話はよく聞きますよね。」

おじ「タイミングの調整はあると思うよ。すべてのことがゼロイチではないからね。一時的に仕事に注力して、そのあと少しの期間は遊びに時間を使うように調整して、とかね。すべてのことを単純化して、言い訳にしてはいけない。」

若手「言い訳にしているわけじゃないです。事実としてありませんか?」

おじ「仕事に時間を使いすぎて、というのは、明確に言い訳だよね。どちらに時間をかけるのかの選択をしたのは自分だよね。フラれるとわかっててそれでも仕事をしたのか、仕事を原因にして別れたかったのかは知らないけどね。」

若手「でも、仕事が本当に忙しい時はしょうがないこともありますよね。」

おじ「無い、とは言わないけど、例えば、親が死んだときの喪主って、仕事が忙しかったら回避する?」

若手「いや、喪主はやります。」

おじ「なんとなくわかる?」

若手「わかりますよ。わかりますけど、極論です。問題の重要性があるでしょ?上司に『親が死んだから休ませてください』と『彼女が愚痴ってるので休ませてください』では、通りが違うでしょ?」

おじ「通りは違うかもしれないけど、仕事に与える影響は同じだよね。休んでる間、他の人にしわ寄せがいくだけ。『僕は今の彼女と結婚したいんです。今、ピンチなんです。プロポーズして結婚を決めてきますので、一日だけ休ませてください!』って言えば休ませてもらえると思うよ。僕なら休ませてあげる。別にプロポーズする必要はないけど、みんなそこまでやったかなぁ。」

若手「だから極論ですって。そこまではやってないと思います。」

おじ「じゃあ、その彼女とはそこまでじゃなかったってことだよ。あるいは、そこまで君が考えてなかったってこと。」

若手「それはそうかもしれませんが、若いうちにそこまで覚悟できませんよ。」

おじ「そうかもね。でも、突き詰めてちゃんと話した?どういう成果を生んだら、君にもどういういいことが起こるから、それが終わったら、一緒に何をしよう、って具体的な繋がりを話した?」

若手「うーん、詳しくは覚えてませんが、そんな話はしたかもしれません。」

おじ「なんだ、やってんじゃん!ちゃんと繋げて考えて、対処してるじゃない。」

若手「そうかもしれないし、でも、実感はありません。」

おじ「つまり何が言いたいか、というと。それなりの幸せが欲しいんだよね。仕事が束縛で嫌なんだよね。じゃあ、その嫌の回避だけを考えていたら解決できないってこと。もっと総合的に繋げて考えないと。」

若手「んん、、難しいです。どうしたらいいかわかりません。」

おじ「おおよそ掴んでると感じるので、また後に話しましょう。」

 

 

おじ「じゃあ、次に行きましょう。目的ね。」

若手「はい」

おじ「今議論すべき目的は何?君の場合、ちゃんとした人並みの幸せ、だったっけ?」

若手「まぁそんなものです。」

おじ「今までの会話で気づいたことも含めて、ちょっと言葉で君の目的を具体的に表現してもらってもいい?」

若手「仕事を楽しんでいる。プライベートも充実している。それらはお互いにお互いの充実を促進させている。月曜日の仕事が憂鬱ではない状況になっている。彼女に矛盾した質問で責められないようになっている。」そんなところです。

おじ「45点。ギリ・アウトです。」

若手「失礼な!」

おじ「でもギリなので良いじゃん。何が問題かというと、その表現は状態だよね。なになにに『なっている』という。」

若手「それが具体化じゃないですか!」

おじ「明確に違うね。状態よりも大切なのは、何を目指しているか。君の目的は本当の目的ではない。わかる?」

若手「明確にわかりません。」

おじ「挑戦的でいいね。具体的には、なんで人並みの幸せが欲しい、ってことを言ってるのかの理由がないってことだよ。」

若手「いやいや、人並みの幸せは欲しいでしょうが!」

おじ「本当に人並みでいい?人並み以上はいらないの?」

若手「いや、そういうことじゃなくて、人並み『は』欲しいってことですよ!」

おじ「ほう、そうすると、僕は人並み程度ってことね。」

若手「悔しいけど、あなたは人並み以上です。」

おじ「予想通りの答えをありがとう。じゃあ、誰と一緒だったら、人並みなの?」

若手「それは人によるでしょうが!」

おじ「じゃあ、人並みっていう基準はないってことね。その人が人並みって思うことができればそれが人並みってことだ。そう?」

若手「そうですね。確かに。」

おじ「じゃあ、要は、どういう風な状態になっている、ということを突き詰めても、それは個人によるので、どこまでを実現すればいいかわからないし?」

若手「それはその時の状況によって変わる。。」

おじ「そうだよね。でも、状況は変わっても、変わらないものがある。」

若手「それが目的だというんですか。目的だって変わりますよ。」

 

おじ「そう、その通り。でも『目的を追ってるか、追って無いか』はそんなに変わらない。一回目的を追う事を知った人は、元に戻れない。いや『戻りづらい』が正確かな。」

若手「意味が解りません。例えば志望した大学に合格したとたんに、燃え尽きちゃうってありますよね?」

おじ「いや、それは、受験は目的にすべきことじゃなくて、目標にすべきことだったってことだね。目的は、突き詰めて言うと、『何のために生きているか。』ということだと思う。」

若手「急に大きな話になりましたね。酔っぱらってます?」

おじ「うん、酔ってる。でも、これは確か。大前提として、目的がないのに手段を議論しても意味がないと思うよ。今回の問題提起について言えば、、なんだっけ。たしか、仕事が束縛だからもっと楽しく生きられないか、って事だっけ?(笑)」

若手「まあ、単純化するとそうともいえます。」

おじ「じゃあ、何が君にとって楽しいってことなのかを突き詰めて考えた方が良いってこと。楽しいことをやって死にたいでしょ?」

若手「そりゃそうです。」

おじ「人生の目的がないのに状態を論じるのは、やるスポーツが決まってないのにユニフォームを選ぼうとしてる、みたいなことだよ。ユニフォームを買うなら、何をやるのかを決めないと、見当違いの買い物をすることになる。」

若手「その例えはわかりやすいですが、この問題と関係あります?」

 

おじ「あるね。もし、本当に楽しいと思うこと、つまり君の人生の目的が今の仕事とは違う、人生のゴールは今の仕事の延長線上にないことがわかったとしたら、どうする?」

若手「それが明確なら、ゴールにたどり着ける行動を選択すると思います。」

おじ「だよね。その新しい行動を選択した時に経験する苦しさと、今の束縛されている仕事を続ける苦しさはどちらが苦しいだろうか?それぞれの苦しさを超えた時に体験できる楽しさはどっちが大きいだろうか?どう思う?」

若手「つまり、君は人生のゴールが定まってないから、今の状況に愚痴を言ってるだけで、愚痴をいう暇があったら、ちゃんと目的を定めて、その上で選択せい、ってことですか?」

おじ「75点!いいとこ来たね。理論的に考えたら、その方が合理的じゃん?ってことね。」

 

若手「まあ、いいでしょう。でも、人生の目的って、そんなに真面目に考えたことないし、見当もつかないですが、すぐ見つかるんですか?」

おじ「見つけてる人もいるし、すぐは見つけられない人もいるし、それは人それぞれ。それに目的そのものも、さっき君が言ったみたいに変わるしね。でも、あった方がいいでしょう?」

若手「そりゃ、なんのために生きているかがわかっている方が楽でしょうね。それが見つかってない僕はどうしたらいいんですか?」

おじ「それは君はもうわかってるでしょ?」

若手「探すしかないってことですか。」

おじ「それはそうだし、探すためには、何をしたらいいと思う?」

若手「わかりません。一人旅とか?」

おじ「違うね。目の前のことを精一杯やるってことだよ。目的を見つけることを意識して、目の前のことに精一杯取り組んで成長をするってこと。ここで、全てが繋がってるって事が出て来る。一つの成長が、他の成長のきっかけになるんだから、成長が繋がり繋がって、そのうち人生をかけたい目的が見つかることに繋がるかもしれないってこと。」

若者「具体的に今とは何が違うのかがわかりません。今も精一杯仕事してますよ。」

おじ「例えば僕なら、よく寝ることから始めるね。仕事の問題を仕事だけで解決する必要は無い。全ては繋がってるんだから、まず、健康を整える。」

若者「よくわかりませんか、それで?」

おじ「健康な体が健康な精神を支えるし、逆も然り。よく寝て、よく食べて、よく遊んで、体を動かして。」

若者「見た目、すでに自由ですね。(笑)」

おじ「時計盤をイメージしてよ。12時の方向にある課題を解決するために、12時方面だけの力を使う必要は無い。3時、6時、9時の力を強めていって、結果的に自然に12時の力を強めていくっていう感じ。わかる?さっき聞いた、仕事でどんな満足感を得たか?ってこともヒントになり得る。やりたい事、やりやすい事から始めるっていうのも、初動としてはあり。これでマッチョのバイアスの一線も超えられない?」

若手「なんと無くイメージはわかりますが。でも、結局、仕事が束縛という事については変わり無いのでは?」

おじ「違うね、それはもう合理的な選択だと解決したじゃん。」

 

若手「その合理的な選択で目的を探す事が、おじさんの言う自由ですか?」

おじ「それもあるね。でも、僕はもう目的は見つけたので、今は純粋に自分の自由を実現するために仕事をしてる。」

若手「おじさんの目的ってなんですか?」

おじ「それは話が長くなるので、また今度ね。今は『世の中を少しでも良くする』ってことに留めとこう。今日は君の話をしましょう。」

若手「え~。ま、いいです。依然、すっきりとは腹落ちしないですが、仕事は束縛ではなく、合理的に選択するもんだ、ということはわかりました。」

おじ「よかった。目的の観点から考えると、どう言語化できる?」

若手「目的はあるに越したことはないので、見つかってなかったら探したい。もし、目的があった場合、その目的を達成するために、何をするべきかを考えて、それを選択していれば、それは自分の選択だから、束縛ではない。もし、目的を見つけられていないんだったら、その目的を見つけるためにやってるんだから、その観点でも束縛ではない。合理的に判断してるだけだ。」

おじ「出来上がる料理を決めてないのに玉ねぎを切って涙を流すのは辛いけど、カレーに入れるために玉ねぎを切るのであれば我慢できるよね。」

若手「急に簡単に例えるのはやめてください。認めたくないですが、論理的には理解できます。」

 

 

おじ「さて、君なりの結論が出たと思うけど、もっと議論するべきことある?」

若手「おじさんがどう考えているかは、論理的には理解できそうです。ただ、それでも月曜日の朝は憂鬱だと思うし、自分の自由のために。。あ、自由ってところはまだ議論してませんよね?」

おじ「うん?それ必要?」

若手「必要でしょ!なぜ、自由なんですか?」

おじ「自由ってなんだと思う?」

若手「束縛がないってことですかね。何をしてもいい。」

おじ「言葉の定義はきちんとした方が良いので、いろいろ調べると良いよ。自由とか平等とか、その言葉の成り立ちの背景を知ることで、自分の考えが整理される。ま、それはおいといて、僕は自由を『自(みずか)らをもって由(よし)とする』ということだと思ってる。大学院の恩師に教えてもらったのの受け売りだけど。」

若手「それはどういう意味ですか?」

おじ「平たい言葉で言うと『自分を見て褒めてあげられる』っていうとわかりやすいかな。自分をみて『お、良くやってるね。』と。死ぬときに自分の人生を振り返って『俺なりによくやったじゃん』と褒めてあげられる、みたいなイメージ。」

若手「それは一般的な自由とは異なりませんか?」

おじ「そうかな。『何をやっても自分がそう思うなら良い』って自由じゃない?『誰がどう言おうとも、自分がすべきだと思うことを選択してする』って自由じゃない?」

若手「確かにそういえばそうですね。」

おじ「君が言う一般的な自由には『我儘』が混じりこんでいると思うけどどうだろう?」

若手「うーん。そうかもしれないですね。」

おじ「ま、それでもいいんだけどね。君がそれで良ければ」

 

おじ「例えばね。おおざっぱにいうと、僕は『世の中が良くなっていくこと』に貢献することを自分の目的にしているので、そのためにすべきだと思うことをやってる。トライアスロンは、僕が歳をとって老害にならず、世の中が良くなることに長く関わって行きたいから、心身ともに鍛えるためにやってる。瞬間的にはあんなにシンドイことはないけど、目的があって、その達成のために必要な選択なのでやるしかない。」

若手「あぁ、そうなんですね。」

おじ「そのトライアスロンを僕は束縛だと思ってると思う?」

若手「いや、好きでやってると思ってましたから。。」

おじ「あんなスポーツ好きでやれるわけないじゃん!死ぬほどしんどいのにスタートとゴール地点が同じなんだよ?何のためにしんどいのか、意味わからん!」

若手「じゃあ、辞めたらいいじゃないですか!笑」

おじ「だから、死ぬときにちゃんとやったねと、自らをもって由しとするために、今やるべきことを選択してやってるんだよ。」

若手「それと選択した仕事は同じだと言いたいんですか?」

おじ「僕はそう考えてるよ。トライアスロンより、よっぽど楽だよ。身体的には。」

若手「そりゃ、そうですね。」

 

おじ「と、なんとなく、言いたいことは言いましたが、伝わったかは不安です。どう?」

若手「まず、相談した相手を間違えたかもしれません。」

おじ「ん。その可能性は高いね。」

若手「でも、もしかしたらとてもいい会話だったのかもしれません。僕がついていけなかっただけで。」

おじ「もし、そうだったらごめんなさい。でも、僕は君のおかげで自分の考えをまとめる事が出来たから楽しかったよ。」

     

若手「今の考えを言語化してもいいですか?」

おじ「ぜひ。でも、僕の考えを纏めてもダメだよ。君が感じたままが本当の君だからね。」

 

若手「はい。つまり・・」

 

 

人それぞれに、仕事に対する思いは違う。酒が入っての相談だから、いつも支離滅裂になるけど、たまには仕事について突き詰めて議論するって面白いなぁと感じる。