頭の中の整理のためのブログ

日常で感じるはてなを、自分なりに論理立てる訓練の為の記録

『この世界の片隅に』を観て

先日『この世界の片隅に』を観た。

konosekai.jp

見終わった後、圧倒されて放心した。ここまでの感動はあんまりないので、何に圧倒され、放心したのかを整理して書き残しておきたい。

 

1.戦争を生活面から感じることができたこと

(当然ながら)僕は戦争を体験してない。戦争や平和に関する業界にも属していない。
なので、第二次世界大戦大東亜戦争は歴史であり勉強の対象ではあるけど、今のところ自分の人生には関係ないことだと思ってる。

さらに、僕が知る限り、戦争にまつわるお話は戦争の中にいる人や場面を描いていることが多いと思う。そこには生死を掛けた強烈なドラマがあると思うので、そりゃそうだろうと思う。

だから、戦争という歴史的事実から生活臭を感じたことがあんまり無かった。


一方、この作品の中では、主人公の日常生活がとっても丁寧に描かれていて、その生活が日本の状況に合わせて少しずつ変わっていく様子がうかがえた。

で、あの時代にあってさえ、あんまり戦争に現実感をもてない一般人がいて、その一般人に戦争が牙を剥く時、何万人もが一瞬で亡くなる歴史的悲劇より、手を繋いでいた一人の人が居なくなることの方が個人的には悲劇性が高い、ということを生々しく感じた。


そういう感覚で「あぁ、戦争ってこういう日常だったのかもしれない」と登場人物に自分に重ね合わせて戦時を感じ、世界観に入り込めたんだと思う。

 


2.全体が悲劇でなく、日常(ちょっと喜劇)ムードであること

主人公がちょっとぼーっとしたキャラクターで、日常のおっちょこちょいが作品全体を和ませていた。
絵も全体的に穏やかだし、BGMも優しくて、戦争をテーマにした作品であることを忘れるくらい。

 

戦争を日常から描いた名作はあるけど(火垂るの墓とかはだしのゲンとか)、終始、見る側に高いエネルギーレベルを要求する作品が多いと思う。

まぁ、時代が時代だし、自分が生きることだけに精一杯だった人が多くいた時代と思うので、それはそれで真実なんだろうけど。

でも、そういうのは自分の心と体が健康で、ハイエナジーな作品を観るモードになってないとためらっちゃう。その感じがこの映画には無い。あくまでいつもの通り、毎日を工夫して生きる姿が描かれているので、大半の時間はリラックスして見てられる。


で、そのいつもはヒラヒラしている主人公や雰囲気が、大事なところでは本当にシリアスで挑戦的な雰囲気になる。そのギャップが、事件や悲劇のインパクトを強めてた。

 

全体的にのんびりと和めて、ちょっと笑えて、だからこそ本当に大事なところですげー泣ける、っていうストーリーに嗚咽(おえつ)するくらい感動した。


3.のん

映画の雰囲気、主人公のキャラにどハマりだと思う。想像をはるかに超えてた。
上手いを通り越して、途中から絵が話しているようにしか聞こえなかった。


彼女の演技無くして、この作品の完成は無かったと思う。
いや、制作側の思惑やアウトプットが全てがはまって、この完成度を産んでるんだろうけど、それでもやっぱり彼女の演技を特筆せざるを得ないと思う。
100点満点中、500点。いや、5000点。


何が良かったのか、反芻するのにすごく時間かかったけど、おおよそこんな感じ。

 


とにかく、必見だと思う。個人的には『君の名は。』より良かった。今年で最高。

もう一回劇場で観たい。

 

以上